第14章 Choice
次の日からはだいぶ万次郎のべったり具合も改善され、ある程度自由に動けるようになった
流石にトイレや着替えまでついてこられるのは嫌だったからな…
恥ずかしいったらありゃしない
『…さぁ…これからどうするか…』
とりあえずタケミっちには会わないといけないだろう
これまではそんな連絡すら取れないくらい1人の暇は無かったし…
それに万次郎達にタイムリープのことなんて絶対知られるわけにはいかないから会うなんてできなかった
ここ数日間の様子を振り返りながら私は電話帳の中からタケミっちの名前を探し出してコールボタンを押す
今更だけど…スマホに慣れてるからガラケーってすごく扱い難い
昔はよくこれでやっていけてたな…文明の進化すごいわ
ぷるぷるぷる ぷるぷ「はい!」
『あ、タケミっち?
今日の放課後暇?』
「あー…今日はちょっと…」
『あ、用事あるなら明日でもいいよ。』
「すみません…今日ヒナとボウリング行く約束しちゃってて、、、」
『あら、そうなの。それなら楽しんでおいで。』
「いいんですか?」
『もちろん。
ヒナちゃんにも色々心配かけちゃったからね。
偶には息抜きも必要よ。』
「ありがとうございます!」
『はーい』
ピッ
タケミっちはデートか…
青春だなぁ放課後デート
それなら今日はゆっくり楽しんできて、明日ちゃんと話せばいい
私が留学を蹴ったことで恐らく多少は未来が変わってる筈
前の状況なら迷わず一度未来に戻るけど、今は状況が違う
…現代ではタケミっちは捕まってる訳だし、私も警察の保護下
下手したら2度とこちらに戻ってこれない
ただしそれはこれから先、何を変えようが着いてくるリスク
…どうするか…
私は1人空き教室の窓から体育だけは真面目に受ける万次郎とけんちゃんを眺めていた
グラウンドで無双する2人
偶にこっちを向いて手を振ってくれる
元気な2人とは裏腹に、辺りには地面にへばってる多くの同級生たち
彼らとまともにやりあえる人なんてほとんど居なくて、もはや少人数での授業と化している
そんな様子を見つめながら私はクスリとひとつ笑った