第14章 Choice
「ん、来たか」
ドラケンくんがいち早くそう言う
その声に耳を澄ませば、マイキーくんのバブの音が微かに聞こえてきた
ブロロロ…
『お待たせ、みんな』
「ケンチンありがと、」
「んや、別になんもしてねーよ」
マイキーくんが到着するとその場が少しだけ緊張感を帯びる
…ここに来る道中場地くんが言ってた
今日の集会はいつもの定期報告の後、伊織さんが話すんだって
…きっとその時に発表するつもりだったんだ
隣の千冬は少し苦い顔をしていて、場地くんはじめとする創設メンバーはいつもよりも数段落ち着きのある様子を見せている
伊織さんはいつもとは違うそんな雰囲気の中、何か吹っ切れたような、そんなすっきりとした表情をしていた
表情に迷いはなく、一歩踏み出せたような、そんな顔だった
「集会始めっぞ!!!!」
「「はい!!」」
いつものようにドラケンくんの声で整列し、マイキーくん達が前に出る
「まずはいつも通り、各隊から報告を上げてくれ。
まずは…壱番隊から!」
「は、はい!!」
そうだ…俺が言わないといけないんだった…!!
辿々しくはあるが、今の壱番隊の現状を報告していく
途中千冬と場地くんから何度も捕捉されたり訂正されたり、かなりのポンコツぶりを発揮しながらも最後まで報告を終える
…ほんの3分にも満たないような時間だったけど…どっと疲れた…
「おつかれ」
「千冬…」
「ま、最初だからな。こんなもんだろ」
「場地くん…すみません…」
「気にすんな。マイキーもわかってる。」
「はい…」
それ以降も報告は続き、俺なんかとは段違いなほどサラサラと報告していく各隊長達
…不甲斐なさすぎて恥ずかしい
「…陸番隊からは以上、」
「わかった。
…じゃあ最後に!!伊織についての話がある!」
「!」
その言葉に俺と千冬は弾かれたように顔を上げる
…嗚呼、やっぱり…
伊織さんは表情ひとつ変えることなく、ゆっくりと前に歩いていく