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ONE MORE CHANCE【東リべ】

第14章 Choice


「俺も詳しいことは知らねえ。
ただドラケンとマイキーが伊織にリューガクの話が来てるって言ってて…
確かに東卍としては伊織が抜けるのは相当な痛手だ。
だがアイツにとってはまたとないチャンスなわけで、絶対行くべきなんだ。」

「…」

「…」

「でもきっと伊織は俺たちに気を遣って、すぐに行くとは言わないだろうって話してて…」




場地くんはそう言いながら視線を下げる
…未来を見てきたからわかる

伊織さんにとって、留学という選択は正解だった
医者としてのスキルはそこで完璧と言えるほどに叩き上げられ、語学も堪能
彼女が力を手に入れられたのも、今強くあれるのも、留学という経験あってのことだ

この経験がなかったら、今の伊織さんはいない





「…アイツの夢は俺たちの夢だ。
俺たちが重荷になることはしたくない。
それは俺やドラケン、三ツ谷だけじゃねぇ。マイキーもきっと同じように考えてる。
だから、俺たちはアイツ無しでもちゃんと立てるようにならなきゃいけねえ。
アイツが安心して行けるように、帰ってきた時に出迎えてやれるように、俺たちも変わるべき時なんだ。」

「場地さん…」

「…わかったら、すぐアイツに頼むんじゃなくてまずはテメェでどうにかしてみろ。」

「はい…」




場地くんはそう言って俺たちに背を向けた

…伊織さんの留学…

今まで気にも留めてなかったけど、つまりそれは俺にとってもタイムリミットな訳だ
今は11月後半、そして伊織さんが渡航するのはおそらく3月頃
そしたらタイムリープは可能ではあるけど伊織さんとの連絡手段は愚か、彼女の手を借りることもできない

つまり、稀咲を追い出して決着をつけるまでのリミットは約3ヶ月
この間になんの手がかりもない中アイツを追い詰めないと…


俺はそれを頭で理解すると、覚悟を決めて特攻服に腕を通した

袖に新たに刺繍された文字が少し重たく感じた
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