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ONE MORE CHANCE【東リべ】

第14章 Choice


『送ってくれてありがとう。』

「全然!じゃ、また明日な〜」

「テスト、頑張れよ〜」

『うん!』




パタン




放課後、万次郎のバイクの後ろに乗って家まで送ってもらう
明日は私を学校に送った後、2人は屋上やらグラウンドやらでサボるらしい。
テストなんか受けたくもないって言ってたっけ…




『っ!』


ダダダダッ!!!…バン!!


『っ!…オエッ、、う"っ…ゴホッ、、、』





玄関の扉を閉めて2人の気配が完全に消えると、私はトイレへと駆け込んで胃の中のモノを全て吐き出す
生理的に溢れる涙と唾液と胃液が混じり合い、ただでさえぐちゃぐちゃだった頭の中がさらに回る



…気持ち悪い

怪我ひとつない身体が

涙が顔を伝う感覚が

記憶の中での私の失態が

圭くんと千冬くんを殺した私が


全てが気持ち悪い





『はぁ…はぁ…はぁ……ゔぅっ、ゔえっ…』





顔についた涙を乱暴に拭う

まるでその感覚が圭くんの血がついた時と似ていて、嫌でもあの風景が思い出される
…私のせいで…私のせいで圭くんは死んだ



助けられた

手が届く距離にいた

それなのに…私は彼を見捨てて逃げた





『…っ!!!』





頭ではわかってる

やり直せるんだって

元々いい未来は来るはずなんか無かったって



でも…っ!

それでも…この先の世界で彼は死んでしまっている

千冬くんも…っ、




その事実がどうしようもなく苦しくて悔しくて悲しくて、死にたいほどに自分のことが嫌いになった
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