第14章 Choice
「はっ…!!」
「あ、起きた。」
「お前もう昼だぞ?」
「あ…え???」
ここは…学校?
「ほらタケミチ、飯行くぞ〜」
「あ、うん!」
アッくん…マコト…山岸…タクヤ…
…ちゃんとみんないる
「あれ?タケミチくん今日みんなと食べるの?」
「ヒナ!!!」
「えっ?」
ヒナだ…ヒナが生きてる…!!!
視界に捉えた瞬間、思わず確かめるように彼女の肩を掴んだ
驚きに目を見開いているけど、それすら嬉しくて視界がぼやけてくる
「オイタケミチ、お前流石にキモいぞ?」
「あーあーごちそーさん。
俺らいいから2人で食べなよ。」
「へっ?いいのか?」
「いいも何も…逆にそんなの見せられた後に食う方が嫌だわ」
「じゃーなー」
そう言いながら学食へと向かう4人
取り残されて冷静になった俺はパッと掴んでいた肩を離す
「ご、ごめんヒナ…急に、、、」
「ううん…でも、良かったの?みんなと一緒じゃなくて…」
「いいよ別に。
えっと…食べよっか。」
「うん!」
俺の教室で食べてみたいと言うヒナの要望を受け、俺の机と近くのタクヤの机をくっつけて弁当を開ける
…見てきた未来があんなのだったから…ヒナの笑顔を見るとどうしても胸に刺さるものがある
「タケミチくんはさ、お弁当いつもお母さんのだよね。」
「ああ、うん…学食とか購買とかあるしいいって言ってんのに残りモンいつも詰めてくんだよ…」
「へぇ、いいお母さんだね!
…でも、将来はヒナがタケミチくんのお弁当作ってあげたいなぁ…なんて、」
「ヒナ…」
「へへ、そしたら持っていってくれる?」
ヒナはそう言って少し頬を赤らめて笑う
…ヒナはそんな未来を夢見てくれてるのか、
こんなダメな俺なのに…それなのに、ずっと先の未来まで俺と共にいることを夢見てくれてる
「…もちろん!!
毎日持っていく!」
「本当?嬉しい!」
嗚呼、やっぱり諦められない
…何もしないなんて無理だ
いくら辛くても苦しくても、例え力が無くても、
俺にできることはなんだってやってやる
何があっても、あきらめない