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ONE MORE CHANCE【東リべ】

第13章 Result


『〜〜!!〜!』




…大分遠くまで行ったな、


一虎が伊織を抱えて走る音と伊織の叫ぶ声が小さくなっていく
…元々決めてたんだ

一虎に千冬、俺、そして伊織

みんなで集まった日から、ずっと決めてた

この中で1番使えないのは俺だ
体も満足に動かない俺は真っ先にコイツらの盾になると、そう決めてた

それが何より1番だと思ったから




「ハァッ、ハァッ…ぐっ…」




撃たれた腹が重い
…よかった、伊織に当たらなくて

俺を見上げた時の伊織の顔が忘れられない
俺の血が落ち、俺を見上げた絶望した表情

真っ先に全てを理解して伊織の腕を引き上げた一虎
顔を歪めながらも、足を止めないよう声を上げる相棒の姿

そんな顔すんなよ、2人とも
決めてたことなんだ
これでよかったんだ




「あ?場地しかいねぇぞ?」

「高宮も殺らねぇと…」





ゾロゾロと東卍の兵隊どもが闇から出てくる






「ハッ…お前ら如きが伊織を殺る?
笑わせんなよ。長年マイキーの隣固めてた女だぞ?テメェらに殺れる訳ねぇだろ。」

「あ?何年前の話してんだよ」

「まともに動けもしねぇ不良品のくせに…」

「その不良品がどれほどか…やってみるか?」

「ハッ…ほざけ」





俺は痛む体に鞭打って、昔のように髪を括り、あの日手に取った鉄パイプを銃に変えて笑った





「行くぞオラァァァ!!!!」





パンパン!!ーダン!!!






ここから先には行かせねえ


体の筋がぶちぶちと音を立てる

痛くも無かった

ただ、この時だけはひどく身体が軽くて、昔のように好きなように動けたんだ




…あ、そうだ、言い忘れてたけどよ…一虎ァ


俺はあくまで"預けた"んだからな?

やってねえからな?



伊織はマイキーのもんだ。
俺は12年前のマイキーから預かってるだけだ。
俺の大事な大事な預かりもん、傷つけんなよ?

一虎には伊織を、そして伊織には東卍を、

…預けたぞ、お前ら、





パァン!!!





嗚呼、伊織、最後は笑った顔が見たかったなぁ…


身体が宙を舞う
俺はゆっくりと目を閉じて力を抜いた





…千冬、助けにいけなくて、ごめんな、、、
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