第13章 Result
「そうだろ?」
「…タケミチくん、君は利用されただけです。」
「……もういいよ…もうヤダよ…
…何度目だよ…?なんも変わってねぇじゃん」
というか、いつも俺は何もできてないじゃないか
いつのタイムリープだって、伊織さんがいなければ失敗してた
…俺は何も変えられない
なんなら俺のせいで今回ヒナは死んでる…
「アッくんもヒナも!千冬も!!みんな死んでいく…!!!
せっかく助けた場地くんまで!!!
もう…辞めよう…?これ以上は…俺には無理だ………」
「…タケミチくん…」
「…」
コンコンコンーガチャ
『失礼します。』
「伊織、さん…」
「…」
『…全部聞こえてた。
…辛かったわね……』
「…」
『…でも、君はよく頑張ったよ。
あとは私がやるから。』
…もう、どうでもいい
俺には何も変えられないんだから…
「でもっ…伊織さん、黒龍が東卍に吸収されたのは11年前だって松野さんが…
今何をしたって…それに貴方はその頃もう…」
『大丈夫。
…ずっと、考えてたことがあるの。』
「考えてたこと?」
『ええ。
…そもそも、今回のタイムリープがいい結果を生まないことはわかってた。
だから…次のタイムリープで全てを終わらせてくる。』
伊織さんは強くそう言い切る
…顔をわざわざ見上げなくてもわかる
あの人は今、すごく強い瞳をしているんだろう、
覚悟と自信に満ちた、あの綺麗で澄んだ目を
…場地くんも千冬も殺されたのに…俺とは大違いだ…
『それと…少し思ったんだけどさ、、、ヒナかタケミチくん、稀咲と元々面識あったりしてないの?』
「は?」
『いや…東卍がここまで色々変わってるのに、ヒナちゃんはずっと殺され続けている。それも全て稀咲に。
偶然にしては少し考えづらい。』
「…俺は会ったことない。」
「姉さんも…そう言った名前は聞いたことないですね…」
『そう…』
…言われてみれば確かにそうだ
だけど…記憶にないってことはこの空白の12年の中のことなのか…