第13章 Result
[今日お前を呼んだのは他でもねぇ。
ある奴を消して欲しいからだ。]
[ある奴…?]
[ああ、ソイツが何者か何て知らねえしどうでもいい。
重要なのはソイツが東卍にとって邪魔だって事だ。
俺だってテメェにこんな事はさせたくねえ。
だが、やらねえと稀咲が黙ってねぇ。
わかるな?アツシ]
「アツシって…アッくん!?」
「…」
嘘だろ…?
しかも今の内容って…
「アッくんに俺が人殺しの命令を…?」
「…」
俺が…?
「…次の動画です。
これも松野さんが隠し撮りをしたものです。
…心して見てください」
まだ頭の中で正常に処理されていないまま、ナオトが差し出したタブレットの中をぼうっと眺める
…ぐちゃぐちゃな部屋、狂ったように叫ぶ俺
…今度はなんだ
[やめろ!タケミっち!!]
[うるせぇ!!!]
[モノに当たってもしょうがないだろ!!!]
千冬の言葉に耳も貸さない
…こんな風になった俺にも、アイツは…着いてきてくれたんだな
…前の世界では伊織さんにべったりだったのに…
[くそっ!ハメられた!!稀咲は悪魔だ!!!]
[…]
[知らなかったんだ!
…消す相手が、アイツだったなんて、、、]
「…ナオト、もういい。」
「…僕たちは姉さんの事件に稀咲が関与していた証拠を追っていました。
この動画が、その証拠です。」
「もういいって言ってんだろ!!?」
もう、いいよ…
たった1分にも満たないような、そんな動画だった
でも、その中にはたくさんの情報に溢れていて、こんな俺でも理解に難くなかった
簡単に導き出せた
最悪の答えを
…わかったから…
全部…全部わかったから…
千冬が証拠だというこれを隠した理由も、俺がこうして逮捕されてる理由も
「今度は…俺なんだな……」
「…」
「俺がヒナを…殺したんだな……」