第13章 Result
伊織さんも目覚めてナオトと会う目処もついて、一気に安心感が押し寄せる
…千冬とナオトが協力して、伊織さんとも面識がある、
大丈夫だ。手がかりは多いはず…
「千冬とその刑事は、橘ヒナタ殺害事件から稀咲へアプローチしていた。
…あれは稀咲の命令だったからだ。
覚えているだろう?あの事件」
ーみんなを助けてくれ…泣き虫の、ヒーロー…
ー大事な人にまで…死んで欲しくないの…
…もちろん、覚えてる
忘れるわけがない…
『あの日、稀咲にはアリバイがあった。
君を含めた幹部たちと集会をしていたから。』
「え?」
『でも千冬くんは証拠を掴んでいた。
稀咲が橘ヒナタの殺害命令を出したという証拠を』
俺たちと集会…ってことは、この世界での俺はあの現場に居なかったのか、、、
やっぱり少しずつ違ってるんだな…
「だが、千冬はその証拠を何故か隠した。」
「は?」
「…アイツが何を考えていたのか…それはもう分からないが、アイツは本当にあと一歩のところまで稀咲を追い詰めていた。
千冬がマイキーの古参粛清とは別に稀咲に殺されたのはそれが原因だ。」
「…」
『…』
千冬…なんでそんなことを…?
「…着いたぞ。」
『そこの路地裏に彼がいるはず。』
ナオト…
…ごめん、、、やっぱりこの世界でもヒナは死んでいた
でも、お前と千冬が組んでるなら…稀咲を追い詰めるほどに至ったなら…
まだ解決の糸口は途切れてない
そう思えるんだ
俺は足を引き摺りながら歩く
すると、影になった階段の下から人影が出てきた
「!ナオト!!」
「待ってましたよ、タケミチくん」
「無事でよかった…」
「…」
ガシャン!!!
「え?」
「花垣武道!!午前7時58分!逮捕します!!!」
「テメェ…」
『っ!』
逮捕…?
え…、どうして…
「…残念です、タケミチくん」
「ナオト…?」