第13章 Result
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「伊織!!」
『っ!』
ドン!
ズザァッ!!!
名前を呼ばれて背中を押された
それは理解できたけど…
転んだまま咄嗟に後ろを振り向き、押したあろう人を見上げる
『っ!』
生暖かい雨の雫が顔を濡らし、目にも雨粒が入って更にあたりは暗い
なかなか視界が確保できないけれど、洋服で何とか拭い去る
ドサッ
『え、』
倒れた?
…誰が?
グイッ
『っ!』
「だから!足止めるなって!!」
再び前の人から腕を掴まれる
後ろにはまだ人が倒れたまま
…一体何が…
ピシャッ!ゴロゴロ…
『っ!!!』
雷光に照らされて見えたのは、豪雨の中に倒れ込む男性
そしてその腹部からは夥しい程の出血
『っ!離して!!』
「オイ!」
『大丈夫ですか!わかりますか!!』
とにかく、こんな状態の人を置いてけぼりなんてできない
ゴロリと体の向きを変えて顔と傷口を確認…
『は?』
「ぐっ……伊織、」
『圭、くん?』
なんで…
『っ!しかもこれ…!!!』
銃槍…?
撃たれたってこと…?
ここ日本よね…?
「伊織…」
『圭くん喋らないで…!大丈夫…これなら間に合う!…大丈夫だから…』
「伊織、もう、いい」
『黙って!!』
「逃げ…ろ」
逃げる…?
そんなことどうでもいい!!
この頃には大分目が慣れてきて、周りがやっと見えてきた
ここはどこかの路地裏
さっき顔に付いた生暖かい雫…圭くんの血だったんだ!
しかも聞こえてた音は雷鳴じゃなくて銃声…
「伊織!!」
『っ!カズくん!?なんで…「逃げるぞ!追手だ!!」
『待って!!それより圭くんが!』
「っ!場地はもう…『生きてる!!私なら助けられる!!!』
「いや…ゼェ、ゼェ…俺は置いていけ」
『何言って…』
「一虎…伊織を、頼む…!」
「っ!!ああ、わかってる」
『わからない!!
なんでよ…!助けられるのに!!!』
カズくんは苦い顔をしながらも私の手をグイグイとすごい力で引っ張る
踏ん張るけど、少しずつ私の足はそちらの方へと進んでしまう