第13章 Result
「東卍が変わっちまったのは、マイキーが変わったからだ。
…もうアイツは不良なんかじゃねぇ。
仲間なんて微塵も信じていない。」
「そんな…マイキーくんが?」
「…マイキーは、巨悪だ」
絶大な力と天性のカリスマ性を持つマイキーくん
側から見たら磨けば磨くほど光る最高の原石
しかし磨き方を誤ると、何者も切り裂く鋭利な刃となる二面性を持つ
まさに今、マイキーくんはそちら側に堕ちてしまっているんだ
「俺もアイツを変えちまった1人…
とにかく、今のマイキーは本当にヤベェ奴だ。
会って話したい。アイツらと離れなきゃダメだって。」
「アイツら?」
「稀咲の暴力、黒龍の金
この2つを何とかしねぇとマイキーが正気に戻ることはねぇ。」
敵は稀咲だけじゃ無いのか…
…まだ分からないことが多すぎる…
「協力してくれ、タケミチ。
今度は俺がマイキーを…佐野万次郎を救いたい。」
「はい!
…あのそれで俺ちょっと記憶が曖昧で変なこと聞くかもしれないですけど…まずその黒龍って何なんですか…?」
「一言で言うなら…マイキーの左腕だ。
アイツらは俺と深い因縁がある。」
「因縁?」
「元黒龍軍の原型は、十一代目黒龍
東卍結成時に俺がモメてたのはその2つ前の世代の九代目黒龍だった。
コイツらは強請り、強盗、殺人…金のためなら何でもあり、そんな奴らだ。」
「金…」
「そう、その膨大な金がマイキーを狂わせているひとつ。
俺のツテで奴等の隠し口座を突き止めた。
金の流れを経ち、決着をつけるつもりだ。」
…東卍結成時にモメてて、十一代目があったってことは、12年前にも存在してたってことだ
俺がいた頃は名前も知らない…
「黒龍はいつ東卍に吸収されたんですか?」
「11年前だ。
年少に居たから詳しくは知らねえけど、元々火種は燻っていたと聞いてる。
伊織が留学して海外に行くまでは裏でアイツが黒龍を制御しきれていたらしい。」
「じゃあ、伊織さんが居なくなったことで抗争が…?」
「そう聞いてる。
当時の十一代目黒龍総長は柴八戒。現東卍最高幹部だ。
噂では金の為に先代を殺して黒龍を乗っ取ったクソヤローだって話だ。」
「金の為に人殺し…!?」
そんなことって、、、
『それは違うわ』