第13章 Result
私の隣で座るタケミっちがゴクリと喉を鳴らすのがわかる
私は真剣な目を彼に落とすと、続けて言葉を紡いだ
『今回の幹部会、稀咲の提案を受けた万次郎を止める術が私には無かった。
芭流覇羅加入は止められない中、唯一私が突ける隙。
…それが壱番隊だった』
「…」
『言わば貴方は…稀咲の想い描く未来の中に私が打ち込んだ楔。
…それに意味があるのか、アイツにとってどれほどの障害になるのか、全く検討もつかない。
…でも、、、なんでかはわからないけど…君に賭けてみたくなったの。
…これからのみんなの未来と、運命を。』
「伊織さん…」
『なんて…変な話よね』
私は最後に戯けたように笑うけど、タケミっちの真剣な目を相手にその表情は長くは続かなかった
…彼も、真剣に戦っているから
『…タケミっち、さっきから色々偉そうに言ってるけど、私は自分が自覚している以上に君を買ってるみたい。
…だから…重く感じる必要はないけど、少なくとも自分の進む道に自信を持って欲しい。
君はきっと、間違わない。』
私がそう言うと、タケミっちはスッと立ち上がって私の目を真っ直ぐに見つめた
「…はい。
…俺…きっと東卍もヒナも、みんな救ってみせます…!
伊織さんばかりの力借りなくても…俺だってやってみせます!!」
『ふふ…
一緒に、頑張ろうね』
「はい!!」
そうして私たちは一緒にナオトさんの家に行った
私はナオトさんと面識がないから物陰から2人の様子を伺っていたけど、握手する直前、2人で視線を交わして頷いた
…せめて…せめてみんなが生きている世界に
けんちゃんは死刑囚じゃなくて、圭くんは生きている
そんな世界に飛べることを願って
バチッ!
耳元でそんな電気が弾けるような音が聞こえたと思うと、身体が宙に浮くような浮遊感に襲われた