第3章 Contact
「オラァ!!」
「やっちまえ!!」
「処刑だ処刑!!!」
うるさい喧騒が耳に響く。
そちらに目を向けると、小柄な男の子をタコ殴りにしてる少し大柄な人。
…酷いことする。
『…止めないの?』
「もうちょい様子見〜」
「…」
すぐに止まるわけでもなく、モグモグとどら焼きを食べる万次郎と何も言わず2人を見守るけんちゃん。
喧嘩を見慣れてるとはいえ、一方的にやられてるのを見るのは気持ちのいいものではない。
『あっ!』
蹴りがモロに顔に入った。
…まずいな。あれ多分脳震盪起こしてる。
鼻骨無事かな…
そろそろ止めないと危ない。
ーパシッ
『…万次郎?』
「あと少しだけ。」
『でも…』
「アイツの怪我、そんなにやばいのか?」
『うん…そろそろ。
意識が飛ぶより怖いこともあるから…』
「…じゃあさ、本気でヤバくなったら言ってよ。
俺らがすぐ止めるから。」
『うん…
でも万次郎、何をそこまで待ってるの?』
「えー、それはね〜」
「俺、アイツすっごい強いやつだと思うんだ!」
「あ?」
『?』
確かに、精神的には相当強い子だとは思うけど…
「まぁ見てなって。
2人にもちゃんとわかるから!」
万次郎はそう言って最後のひとつのどら焼きを口に運んだ。