第12章 Hospitalization
「オイ半間…よせ」
「はいはい」
「すみません…総長」
「チッ…次はないと言っておけ」
「はい」
稀咲と話し終えたのか、2人がこちらを向き、稀咲が半間を宥める
半間はおとなしくそれに従い、後頭部を掻きながらくるりと背を向けた
万次郎は額に青筋を浮かべながらもなんとかそれを耐え、私のすぐ隣に立った
「伊織さんもすみません…
…ちゃんとお会いするのは初めてですよね。
稀咲鉄太です。よろしくお願いします。」
にこやかにそう言って私に声を掛ける稀咲
貼り付けたような笑顔の裏にどんな顔を持っているのか
『高宮伊織。
貴方のことはよく知ってる。』
「…そうですか。それは嬉しい。」
『…血のハロウィンの時…芭流芭羅から万次郎を守ってくれてありがとうね。
…これからの活躍、期待してる。』
「ありがとうございます!」
『…帰ろ。万次郎』
「ああ。
…ケンチンも行くぞ。」
「おう」
適当に私も笑顔を浮かべてそう話した
…反吐が出る
けんちゃんを殺そうとし、カズくんに圭くんを殺させようとした
それでどれだけの人が悲しみ、傷つくのか知りもしないくせに
アジトを出る足を速めながら、私はぎゅっと唇を噛み締めた
大いに期待してるよ
お前の次の手を
次は私が自分で摘みにいく
楽しみだ
その余裕そうな、全てが計算通りだという表情が崩れ落ちていく様が
だからせいぜい今のうちに笑っていろ
私がいる限り、絶対に東卍はお前の手になんか落ちさせやしない