第12章 Hospitalization
「これで幹部会は終わる!解散!」
けんちゃんのその言葉に幹部たちは腰を上げてアジトを去る
私と万次郎とけんちゃんも例外なく、帰ろうと足を進める
「総長!!」
「ん?」
『…』
…稀咲、、、
背を向ける私たちを呼び止めたのは稀咲だった
そしてその後ろには半間が控えている
「ありがとうございます!」
「ああ」
『…』
稀咲が万次郎にそう声を掛ける
その中、半間が後ろから歩いてきて私の前で立ち止まるとずいっと顔を近づけてきた
煙草の残り香が鼻腔を掛け、思わず顔を顰めたくなる
「へぇ…近くで初めて見たなぁ。
8.3抗争の日からずーっと、顔見てみたかったんだよなぁ
東卍の脳とか言う奴♡」
『…高宮伊織です。
…指の具合はどうですか』
「…誰かさんが綺麗に折ってくれたお陰でちゃーんとくっつきましたよ♡」
『それは良かった』
ニヤニヤと笑いながらじっと私の顔を見つめる
…なんだこいつは
「バハッ!良いね〜クール系美女!!
この後付き合ってくんね?」
半間はそう言って私に手を伸ばす
一歩身を引こうとすると、私に触れる前にその腕は横から伸びてきた手に掴まれた
「気安く触んな」
「ダリィなドラケン、いいじゃねえか少しくらい。
顔、怖いぞ?」
「…」
『…』
「へぇ、東卍の姫ってとこかぁ?」
ヒュッ
「っと、」
『…』
「危ねぇなぁ」
『失礼、足が滑りました』
「姫が気に触ったかぁ?」
『…足癖の悪い姫がご所望ですか?歌舞伎町の死神さん?』
「…へぇ、俺のこと知ってんの。嬉しー」
『…』
「…」
ピリリと、その場を小さな電流が流れたように空気が張り詰める
ニヤニヤと笑いながら私を見下ろす半間
…何がしたいんだ…コイツは