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ONE MORE CHANCE【東リべ】

第12章 Hospitalization


「だからマイキー!!」

「…」

「東京卍會壱番隊隊長場地圭介!
本日をもって東卍を辞めさせてもらう!!」

「…」

「世話になったな」






圭くんはそう言って笑顔を作った

その背中を見つめる千冬くんは瞳いっぱいに涙を溜めてカタカタと小さく震えている






「壱番隊のことは千冬に全部任せる。
千冬が隊長になるのもよし、ほかのついていきたいやつを指名するもよし。
その辺は伊織も上手くやってくれるだろ?」

『…』

「頼むよ。
支えてやってくれ。」






圭くんは私にそう声をかけ、自身の特攻服のボタンに手を掛ける


嗚呼、彼は本当に辞める気なんだ


特攻服を脱ぐということ

それはこの世界ではそのチームの立場を捨てることを意味する






パシッ







「ぇ、」








「何勝手に脱いでんだよ」

「あ?」

「俺はまだ認めてねぇぞ」

「…」






万次郎が圭くんの手を掴んでボタンを外す手を止めさせる







「…だが俺は…」

「認めねえつってんだよ。
一虎のことは許した。お前の裏切りはアイツのためだってんならそもそも裏切りですらねぇ。
他になんか辞めねえといけねぇ理由でもあんのか?」

「…さっき言ったろ。喧嘩も俺は…」

「喧嘩できねえって理由じゃウチは辞めさせねえぞ。」

「っ、」

「…」





万次郎は圭くんの手を掴む手を離さない

じっとその目を見つめる


圭くんは眉を下げ、彼の視線から逃れるように下を向いた


それから2人をはじめ、誰も口を開くことなく重たい沈黙がその場を支配する






























『…それならさ、』

「「!!」」







声のした方へみんなの視線が集まる

私はそれを受け流すと、さらに言葉を続けた








『私からいくつか提案してもいい?』

「?」

『東卍組織を結構変えるかもしれない。
それでもリターンは大きいと思うよ。』

「伊織…」








私がそう言って笑みを浮かべると、その場の全員が目を丸くした
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