第12章 Hospitalization
「じゃあ早速本題だ。
…入れ!」
ガチャ
扉を開けて入ってきた影は2つ
…稀崎に半間………この前万次郎が言ってた件か…
「血のハロウィン
東卍対芭流芭羅の決戦は東卍の勝利で終わった。
そしてその副総長の半間が東卍の傘下に降りたいと言っていることを知った。」
『…』
「それを俺に繋いだのが現参番隊隊長の稀咲だ。
…東卍としてはこの提案を受けることを決めた。
これは俺の意思だ!」
万次郎がそう言いながら鉄骨の上から地面に降り立つ
「東卍が150人から一気に400人に膨れ上がるってことか」
「すっげ」
「…」
「っ、」
反応はさまざま
その中でも圭くんはギリギリと拳を握りしめていた
…その気持ちは痛いほどわかる
「人事については…伊織、お前に任せる。」
『了解』
私がそう返事をすると、稀咲の眉がピクリと動く
…それに気づかないふりをして、次の議題に移ると話すけんちゃんの言葉に耳を傾ける
「次は…壱番隊についてだ。」
「場地、お前から話せ」
「ああ」
万次郎に促され、圭くんは一歩前に出る
…圭くん、前は辞めようとしていると話した
その後の万次郎との会話で何を話したかは知らない
彼の意思は私もわからない
…圭くんは今、どうしたいんだろうか
「…俺は一度東卍を裏切り、芭流芭羅に着いた。
そして血のハロウィンで一虎に刺されて死にかけた。
…伊織のお陰で今命こそあるが…もう身体が前のようには動かない。
喧嘩の場になんか行ったって足引っ張るだけだ。」
「…」
『…』
「場地さん…」
「マイキーとも色々話した。それもこれも全部含めて自分で考えて決めた。
…俺は、東卍を辞める。」
『っ!』
「場地…」
「…」
圭くん…
…万次郎が彼を止めない筈がない
それでも辞める意思は変わらないってこと…?
「当たり前の代償だ。
ダチのために東卍の仲間を裏切り、抗争の火種を作った。
その中で伊織にも大怪我を負わせて生死を彷徨わせた。
その上これからは戦力のコマとしても使えねえ。
…もう、ここには居られねえよ。」
そう言って圭くんはゆっくりと腰を下ろした