第12章 Hospitalization
「終わった?」
「ねぇ!終わったよね!!」
私たちがその後少し談笑しながらココアを飲んでいると、先程の真剣な空気が緩和されたのを感じ取ったのか、テーブルから頭がふたつひょこりと飛び出して来た
「じゃあ遊ぼ!」
「遊ぼ!」
『わわっ!』
「こら
ルナ、マナ、引っ張るな」
『たかちゃん私は大丈夫。
遊ぼうか?』
「うん!」
「はぁ…ったく、、、
本当悪いな…コイツら伊織のこと大好きなんだ…」
『へえ、嬉しい。』
「伊織お姉ちゃん美人!」
「美人好きー!」
『あらあら
私もルナとマナ大好き〜!』
「きゃーっ!」
私の足にぎゅっとしがみついて来たルナとマナを私からもぎゅっと抱く
きゃっきゃとはしゃぐ2人が可愛くて仕方がない
たかちゃんも骨抜きになるはずだ
「ねぇ!どうやったら伊織お姉ちゃんみたいになれるー?」
『え?』
「お兄ちゃんに聞いたらね、いつも知らないって言って教えてくれないの!」
「オイオイ…」
『私みたいに?
うーん…そうねぇ……よく食べてよく寝ることかなぁ』
「本当?
私お姉ちゃんみたいに美人で優しくてかっこよくなりたいの!!」
「マナも!!」
『そんなに言われたら照れちゃうな
でもルナとマナなら大丈夫。私よりもずっといい子になるわ!
だってこんなに優しくてカッコイイお兄ちゃんがついてるもの!』
「バッ…急に何言い始めんだよお前…//」
「お兄ちゃん照れてる!」
「耳赤い!!」
「赤くねーし!」
『アハハッ!
たかちゃんかわいいっ!』
「おま、、、そろそろ怒るぞ俺も!」
『きゃー!ルナ、マナ逃げるよ!!』
「うん!」
「きゃはは!」
「待てコラ!
伊織もだぞ!!」
狭い部屋の中で鬼ごっこ
逃げ場なんてほとんどなくて、たかちゃんにはやっぱり敵わなくて3人纏めて捕まった
私には感じたこともない家族の温もり
たかちゃんの大きな腕の中でルナとマナと3人で抱かれていると、何故かどうしようもなく安心する
同級生のはずなのに、たかちゃんには私にはない、兄のような暖かさがある
まるでこうしているとルナとマナとみんなと本当の兄妹になったみたいな気がして、鼻の奥がツンとした