第12章 Hospitalization
「あの子、知り合いだったのか?」
『ううん。懐かしい音がしたから近くに行ったらいたの。
初対面よ』
「そうか。」
『…なんでみんなあんなに怒ってたのよ
みんなしてフルート見たら血相変えて…』
心当たりが全くないし、悪いことをした覚えもない
なんであんなに言われないといけないのか全然わからない
『たかちゃんもフルート見た瞬間顔色変えてたじゃない?
どうしたの?何かあったの?』
そう言ってたかちゃんの方を見つめると、たかちゃんは少し悲しそうな顔をして、その表情を隠すように私の頭をわしゃわしゃと撫でた
『え、ちょ、、何?急に…』
「別に何もねぇよ。
…みんなただ、心配だっだけだ。」
『心配?』
「ああ。
肺怪我したってのに楽器なんか吹くから…
フルートだからって訳じゃねぇ。
病み上がりの癖に思いっきり肺に負荷かけるようなことするからみんな焦ったんだよ。」
『あ…』
「この前死にかけた分、過剰に反応しちまったんだ。
咳し始めた時は本当に焦った…」
『…』
「だからあんまり心配させんな。」
『うん…』
そうだったんだ…
みんな私のことを想って、、、
それなのに私、けんちゃんにも万次郎にも酷いこと言っちゃった…
ちゃんと謝らないと
「ま、頭ごなしに色々言ったのは俺たちが悪かったな。
お前の話も聞かねえで…
だからあんまり気にするな。
きっと今ドラケン辺りが反省してる頃だろうし。」
『はは…
じゃあとりあえず…みんなのとこ行こっか。』
「ああ。
確かお前そろそろ退院だろ?」
『うん、明日。』
「そうか。よかった。
退院するからって言ってあんまり無理するなよ?」
『ええ。
…あ、今日はタケミッチ居るから無理だけど、明日か明後日にでも特攻服届けに行くね。』
「わかった。ありがとうな。」
『ううん。』
そんな会話をしながら私とたかちゃんは病室に戻った
みんなの真意もちゃんとわかってスッキリして心が軽くなった
これからはみんなの気持ちにもなって、無闇に心配させるような行動を取らないように気をつけようと思った