第12章 Hospitalization
『けん、ちゃ…!大丈夫、だから…!ゴホッゴホッ』
「だが…」
「…」
『少ししたら、、、治る…!ゲホッ!』
「…わかった。
マイキーもドラケンも場地も…一旦落ち着け。
焦りは移る。」
「あ、ああ」
「悪かったな伊織、ゆっくり息吐いて、、、喋らなくていい。
とにかく自分の息整えることだけ考えてろ。」
『ヒュッ、ゴホッゴホッゴホッ…ハッ、ゲホッ』
「三ツ谷くん…」
『ゲホッゴホッゴホッ』
「…」
むせたように咳を繰り返す伊織さん
マイキーくんと場地くんが酷く慌てて声を掛ける中、三ツ谷くんが2人を宥めて伊織さんに優しく話しかける
伊織さんは胸を押さえながらもゆっくりと息を吐き、三ツ谷くんの声に合わせて時折頷いて意思表示できるようになってきた
『ハァ…ハァ……』
「ん、大分治ったな…
…コレ、アンタのか?」
「あ、はい…」
「返すよ。ありがとうな。」
「いえ…」
「…なんとなく事情はわかった。
マイキー、伊織のことはとりあえず俺に任せてくれ。」
「だが…」
「頼む。」
三ツ谷くんは伊織さんの手の中のフルートを丁寧な手つきで女の子に手渡すと、マイキーくんの方を向き直ってそう言う
伊織さんはまだ少し息が上がって苦しそうだが、意識はしっかりしているようだ
「マイキー、俺たち怒鳴っちまったから…今は三ツ谷に、、、」
「っ、、、そう、だな…
わかった。三ツ谷、頼む。」
「ああ。」
「…病室戻るぞ、お前ら。」
「はい…」
俺とマイキーくんとドラケンくん、そして場地くんとエマちゃんはそれぞれ違う心持ちのまま場地くんと伊織さんの入院している部屋に戻った