第12章 Hospitalization
〜♪
「?なんだろう、この音…」
さっきから聞こえていた笛の音
俺は音楽とか詳しくないから楽器の名前なんて知らないけど、病院に来た時から聞こえてた笛の音
今までは誰かの練習っぽい音だったけど、今流れているのはまるで色が違う
軽やかで伸びやかで、流れるように滑らかだ
バン!!
「うわっ!!?」
「この曲…やっぱり…っ!」
「マイキー!行くぞ!!」
「ああ!」
「え?」
血相を変えてマイキーくんと場地くんが病室から出てきた
え、どこに行くんだ???
とりあえず2人に着いていく
ウィーン
「クソッ、おせぇ!」
偶々来たエレベーターに飛び乗って一階に降りる
なかなか進まない階数表示にイライラした雰囲気を隠せない2人
…?そんなに慌てて…何があったんだろう…?
チーン
「っ!」
扉が空いた瞬間2人は走り出す
確かそっちは…
「〜!!〜!」
『〜!?』
「〜!〜〜!!」
伊織さんと誰かの声が聞こえる
男の人と、後ひとりは女の人?
言い争うような、、、
『なんでそんなに怒ってるのよ!!』
「怒ってる訳じゃねぇよ!」
『怒ってるじゃない!!』
「ちょ、2人とも落ち着いて…!」
「え、あの…」
「伊織!!!」
「あ、マイキー…!ちょ、助けて!
ドラケンと伊織が急に言い合いになって…」
エマちゃんとドラケンくんだ
伊織さんとドラケンくんが何か言い争っていて、それを止めるようにエマちゃんが間に立っていた
そしてマイキーくんと場地くんが2人に近づく
「何やってんだよ…!伊織!!」
『は?』
「え?」
「…え?」
マイキーくんが伊織さんの肩を掴んでそう言った
その行動にはエマちゃんだけでなく、伊織さんも俺も目を丸くする
…話が見えない…