第12章 Hospitalization
次の日、圭くんのリハビリが始まった
私は普通に歩くことはできるようになって、圭くんは少しなら歩いていいと言われていた
圭くんのリハビリについて行きたかったけど、生憎私は診察だ
「ん〜、いいね。
経過順調。念のためあと2日入院したらもう退院していいよ。」
『やった!ありがとうございます!』
「若いね〜やっぱり。
回復が早い」
『ハハ…』
中身は27歳なんだよなぁ…
「明日最終にもう一回診察しようか。」
『はーい』
検査と診察を終えて病室に戻る
圭くんはまだだな…
お昼時だから万次郎たちも給食食べに行って居ないし、、、
刺繍の続きやるか…
たかちゃんから預かっていたタケミッちの特攻服を広げる
…だいぶ終わったな
あと2日もあれば十分終わる
ガラガラ
『あ、圭くん…おかえりなさい』
「おう」
しっかりとした足取りでベッドに戻る圭くん
…傷は塞がったって聞いたから圭くんも退院するのはもうすぐのはず…
『…リハビリどうだった?』
「案外動けるもんだな!
普通の動きなら全然大丈夫だ!」
『そう。よかった』
そう言ってニカリと笑う圭くん
…でも、どこか笑顔が乾いてる
『…圭くん、何かあった?』
「あ?」
『…なんだか元気ない…』
「…」
私がそう言うと、笑顔をスッと仕舞って長い髪を影に俯く
『…言いたくなかったら言わなくていい。
でも…話したくなったらなんでも言って?
どんなことでもちゃんと聴くから…』
抱え込むことだけはしないでほしい
私はそれだけ言うと、何も言わずに目の前の黒い布に金色の糸を通した
圭くんの方は見ないで、手元だけを見て、彼の息遣いを感じていた