第12章 Hospitalization
「だって場地ばっかズリィじゃん!!」
「あ?何がだよ」
「朝から晩まで!なんなら寝る時もずーっと伊織と一緒だろ!!?
しかもしばらくずっと!」
「はぁ?」
「俺だって最近お泊まりとかしてねーのに…」
「…」
「…」
「…」
「…」
…嫉妬か
「…そりゃ仕方ねーだろ。
場地だって好きで入院してる訳じゃねーんだし。」
「ケンチンはさ、この前伊織と入院してたからいいじゃん。」
「んなこと言ったって…」
「とにかく!伊織は俺のモンなの!
場地!ちゃんと肝に銘じとけよ!!わかったな!!」
「…肝に銘じるってなんだ?」
ガリ勉スタイルの場地のその言葉に一瞬全員がフリーズする
…コイツを留年させた先生たちの気持ちが今俺はすごくわかる
「はぁぁぁぁぁ…」
「…期待を裏切らない回答だな」
「場地さん!
心に留めて決して忘れないように心がけることですよ!」
「そうか!
マイキーわかったぞ!」
「…」
「テスト出るからな〜ちゃんと覚えとけよ、場地」
「げ、マジか!」
「マジだ。
…ちょっと俺トイレ行ってくるわ」
「了解
出て左の角曲がったとこにあったぞ」
「サンキュー三ツ谷」
ケラケラと笑う場地とため息ついてまだヤキモチ焼いてるマイキー
ほんと、こんなしょうもない問答も久々だ
俺の隣を通り過ぎる時にとても優しい笑顔を浮かべていたドラケン
…コイツもきっと、同じことを考えているんだろうな
俺は右の米神にそっと触れ、目の前の幸せな光景に目尻を下げた