第12章 Hospitalization
「…まぁ頑張るワ」
『うん。
で、千冬くんは…』
「…限界っス」
千冬くんのテスト用紙は半分くらい埋まってる
でも書いてるとこは大体合ってるな……
理科の生物のとこはほぼ完璧
数学もそれなり…
ただ英語と古文がボロボロ
社会は暗記だから覚えてないのは仕方ない
『1番不味いのは英語ね…社会は暗記だから自分で教科書とか見ながら家でやってみて。
わからなかったら聞いていいから。』
「っス」
『英語ねぇ、、、やってりゃ勝手に出来るようになるんだけどなぁ』
「…単語がわかんなさすぎてやる気が出なくて、、、」
『その気持ちはわからなくない』
単語なんて無限にあるし、キリがないからな
『…よし、じゃあこれから千冬くんは私と話すときは英語ね。』
「え"っ!」
『実際よく使う単語なんて限られてるから。
最初は文法とかは気にしないで単語だけ繋げることからね。』
「俺自信ないですよ…」
『わからない単語はその場で調べたらいいし、私の言ってることわかんなくてもちゃんと解説するから大丈夫!』
「千冬ぅ、頑張れよ」
「場地さん!!!
俺頑張ります!」
『OK!Let's start English!』
「お、オーケー?」
それから私たちはみんなで教科書(圭くんは九九の表)片手に勉強した
2時間ほど経った頃か、病室の扉をノックする音が聞こえる
…ノックするってことは…たかちゃんかな?
『はーい!』
ガラガラ
「高宮さん、少し検査しに…って、あら!勉強してたのね!
偉いわ…ん?場地くん?」
「おう!」
「…こんな感じだったっけ………」
『あー…これが彼の勉強スタイルなんです』
「へぇ、そう、、、」
普段でも中々見ない絵に描いたようなガリ勉君
…そりゃ看護師さんも苦笑いもしたくなる
「じゃあ高宮さん、検査行きましょ」
『はい。あ、2人とも私が帰るまでここまで頑張ってね?』
「「え、」」
『じゃーねー』
私はヒラヒラと2人に手を振って看護師さんに連れられて行った