第12章 Hospitalization
ガラガラー
「伊織〜場地〜おはよう〜」
『おはよう、万次郎』
「おう」
「俺とエマも来たぞ〜」
『えっ!?エマ!!?
今日学校じゃ…』
「伊織!!!」
『わっ!』
けんちゃんと万次郎の後ろから私の方へ駆け寄ってくるエマ
大きな金色の瞳にはいっぱいに涙を溜めていて、キラキラと輝いている
「うっ…っ!……心配したのよ!!
何考えてんの!」
『エマ…』
「伊織のバカ!!!」
『うん…ごめんね、』
「許さない…!!」
『うん。』
「…でも、本当に良かった………
っ、ワァァァァァン!!」
エマはボロボロと涙を流しながら声を上げて泣く
私の病衣がどんどん色濃くなって思い切り抱きつくエマの手が傷口に当たって少し痛い
でも、それ以上にエマが暖かくて、私は安心させるように私よりも小さく細い体に腕を回し、背中をトントンと撫でた
『エマ、心配してくれてありがとう。
着替えも、、、本当に助かった。』
「ッグスッ…うん……」
『…退院したらさ、また一緒に遊びに行こうね。』
「うん…行く………ズズッ」
『楽しみにしといてね』
「うん…っ」
『エマだーいすき♡』
「ウチも…っ!ウチも大好き…!!」
エマはさらに私をぎゅっと抱きすくめた
やっぱりそれは少し痛くて顔を顰めてしまったけれど、私の胸に顔を埋めて泣くエマのことを思うとそんなことはどうでも良かった
けんちゃんと万次郎が私の表情に気づいてか、エマにそれとなく言うとエマはけんちゃんに学校まで送られて行った
…もうすぐエマの誕生日
…何かプレゼントしてあげよう
お詫びも兼ねて、ね。