第12章 Hospitalization
でも、無理だ
…俺にはもう、そんなことできない
人を傷つけた人間が人を守るなんて、そんなこと、、、
「冗談じゃねーよ
お前が伊織を刺したから?そんなの関係ねー」
「は?」
「俺はお前に頼みたいんだ。」
関係ない…?
そんな訳ないだろ
俺は…
「場地、お前だから頼んでる。
お前だから伊織を預けたいと思うんだ。
…お前にしか、頼めない。」
「マイキー…」
「場地、一緒に伊織を守ろう。
もう2度と、傷つけないために」
マイキーはそう言って立ち上がり、俺に手を伸ばした
マイキー…お前は本当に、、本当に俺に伊織を託すのか…?
こんなどうしようねぇ俺に、馬鹿で不器用で2度もマイキーの大切な人を傷つけた俺に、またお前の大切な人を預けてくれるのか?
嗚呼、視界が滲む
マイキーの顔がぼやける
…嬉しかった
何がとは言えねえ
全然言葉にできねえけど、それでもただただ涙が止まらなくて視界が潤むのを止められなかった
やっぱり、マイキーは昔も今も、ずっとカッコいい
どうしようもないほどにキラキラしてる
俺は情けなく震える手をマイキーの手に乗せた
「…っ!約束する。命に変えても守る。」
「…頼りにしてる。
おかえり、場地」
マイキーはそう言うとニカリと笑って俺の手をぎゅっと握った
…元々マイキーに預けた命
そのマイキーが俺にそう望むなら、俺はそれに従おう
例えそれが俺に許されなくても
俺の命ある限り、絶対にこの手を離さない
その約束は絶対に果たす
その決意を胸に、俺もマイキーの手を握り返した