第2章 Chance
…あーーーー、本当にタイムリープしてる…
懐かしのガラケーを開きながら、そこに表示される日付を見て苦笑する。
…タイムリープできたのは良いとして、やっぱり向こうから持って行けた物は無いな…
ポケットの中身も洋服も髪型も、何もかもが昔のもの。
服は12年ぶりのセーラー服だし、現代では下ろしていた髪も今はさらに長く、ポニーテールで一纏めにしても背中の半ばまである。
…どっちにしても、医療器具なんかは持って行けなかったってことか。
『ん?…これ!』
胸元を触ると、そこには現代で圭くんから貰ったお守り。
中の写真もちゃんと入ってる。
『これは持って来れたんだ…』
私はそれを胸に抱いて背中をベッドに預ける。
そして、目をつぶってひとつゆっくりと息を吐くと、上体を起き上がらせ、目を開けた。
…とにかく、花垣くんと合流しないと!