第12章 Hospitalization
「…場地、頼みがあるんだ。」
「なんだ…?」
「…伊織を、、、コイツを、守ってくれ。」
「?」
何を言ってるんだ?
急に…
「…お前のことは誰より知ってる。
…お前はきっと、一生伊織のことを刺したことを後悔し続けるんだろう。
本人が生きていても、それがお前のせいでなくても。」
「…」
「…それは誰にも止められねぇ。
俺も伊織も…
…だから、もし、、、もし、お前が何か罪滅ぼしがしたいと望むなら、俺のこの願いを聞いてくれ。」
「…罪、滅ぼし……」
そんなこと、やれることならなんでもやってやる
だが、俺にそんな権利はあるのか…?
いや、、、
「…罪滅ぼしなんて…俺にはそんなことできる資格、ねぇよ。」
「場地…」
「…俺は一生背負って生きていく。
そんな償いみたいなことはできねぇ。」
「…」
そうだ
俺はそれだけのことをやったんだ
…合わす顔もない
全部ケリつけたら、俺はみんなの前から姿を消す
…それが俺の唯一の償いだ
「それでもいい。
資格なんか無くても、誰にも許されなくても、俺はお前に、、、場地圭介に頼みたいんだ。」
「マイキー…?」
「…頼まれてくれるか?」
マイキーはそう言いながら俺に笑顔を向けた
俺はその顔を見ると泣きそうになる
…なんでだよ
なんで、マイキーも伊織も、大切な人を傷つけた俺なんかに、そんな風にできるんだ…?
真一郎くんを殺した俺たちを、伊織は見捨てなかった
2度と大切な人に人を殺させないと言って、俺と一虎を救おうとしてくれた
俺たちは2人の何より大好きだった人の命を奪ったのに
そしてまた、、、俺はマイキーの大切な人を、今度は伊織を傷つけた
2度目だぞ…?
それなのに、マイキーは俺にその伊織を守れと、伊織の命を俺に預けると、そう言う
…どうしてお前たち2人はそんなことが言える?