第12章 Hospitalization
「伊織寝たか?」
「うん
目ぇ覚めたばっかだったのに俺たちみんなの相手してたから、、自覚はなくてもきっと疲れたんだと思う」
「そーか。
…マイキー、本当にすまなかった。
伊織の背中…俺が刺した…」
「…」
「起きたらまた伊織にも謝るつもりだ。
俺は…またアイツの背中に消えない傷を……マイキーの大切な人の命を、奪うところだった。」
「…」
「…本当に、すまない…」
マイキーは腕の中の伊織を抱きしめたまま、俺の言葉を聞く
…許されないことをした
あの日、マイキーとみんなで約束したのに
絶対に…絶対に、もう2度と伊織を傷つけないって
みんなで伊織を守るんだって
絶対に、危ない目に遭わせないって
なのに俺は…っ!!
奥歯がギシリと音を立てる
「…場地、それは伊織に言ってやってくれ」
「…それは勿論言う。
でも…」
「俺にはいいよ。」
「?」
「…俺はまた、伊織を守れなかった
俺が、もっと強ければ…俺のせいで伊織は…」
そこまで言うとマイキーは伊織の肩口に顔を埋める
マイキーの髪が顔にかかり、伊織は小さく身じろぎした
「…ケンチンが刺されて伊織が戦ったって聞いた時、もう絶対怪我させないって誓ったのに…
…俺は伊織が俺の手に触れるまで、あの場に居たことにも気づけなかった。
何よりも大切だと思ってるのに、俺はまた守れなかった。」
「マイキーそれは…」
「違ぇよ。
場地のせいじゃねぇ。
…お前は一虎を救おうとした。伊織もだ。
俺はそれなのにお前ら2人を傷つけるだけだった。」
「…」
「俺が、守り切れなかった。
俺の落ち度だ。」
マイキーはそう言うと、この話は終わりだと言わんばかりに顔を上げ、抱いていた伊織を起こさないようにゆっくりとベッドに横たえた