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ONE MORE CHANCE【東リべ】

第12章 Hospitalization


「…場地、伊織」

『…』

「…」

「俺、お前らが生きてて、本当によかった…
この3日間、生きた心地がしなかった…」

『…うん』

「…」

「…ごめん…」














万次郎はただ俯いて、言葉を並べる 















「…俺、何も出来なくて…何も守れなくて…
…場地は一虎を助けようとしてたのにも気づかないで、傷つけた」

「…」

「俺は自分のことばっかりで…伊織が来てたのだって、気付くのが遅すぎた」

『…』

「俺は…もう誰も失いたくない……
誰も居なくなって欲しくない…」















万次郎の肩が小さく震える

…真兄のお墓に行った時、万次郎は言ってた


大切な人がいなくなる気がして怖いって

それが何よりも怖いんだって




それなのに、それを知っていたのに、私は万次郎にその怖さを強いてしまっていたんだ
















『…ごめんね、万次郎』

「…悪かった。」

「…許さねえ」

『…うん』

「…絶対ぇ許さねえ」

「…」

「もう2度と…2度とこんな真似すんな…
じゃないと、俺が死んじまう…
俺が耐えられねぇ…
もう、遠くには行くな。」

『わかった』

「約束する」

「…言ったからな…
絶対守れよ」

『うん』

「おう」

















万次郎は私と圭くんの手をぎゅっと握ると、大きく息を吐いた


キラリと万次郎の目から光が落ちる




私もその手を握り返すと、万次郎は更に強い力で握り返した

その手はひどく冷たくて震えていて、それでいて大きかった


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