第12章 Hospitalization
ガラガラ
「悪いな、伊織独り占めしちまって…」
「本当だよ三ツ谷。俺のなのに…」
「悪かったって…」
そう言いながらみんなは病室の中へ戻ってくる
あ、千冬くん
「伊織さん、相棒も今から来るって言ってました。」
『そっか。ありがとう』
「エマにも連絡入れた。
アイツは俺が後でバイクで連れてくる。」
「エマ家で毎日泣いてた…」
『…心配させちゃったね、、、そこの着替えもエマが?』
「うん。あ、家合鍵使って入ったけどよかった?」
『もちろん。お世話になりました。
やっぱりエマに預けてて正解だったね。』
「そうだな。」
1人暮らしの時何かあった時のために、エマに合鍵を預けてる
まさかこんな形で役に立つなんて、、、
「廊下は静かにって!!何回目ですか!!?」
「すみません!!!」
「…まただな」
「そろそろ俺ら出禁になるんじゃね?」
何度目かの看護師さんの声
確かに何度も病院の廊下走る不良が居たらな…
ダダダダダ…
スパン!!
「伊織さん!!」
『タケミっち〜病院内では静かにね〜』
「看護師さんに迷惑かけるなよ」
声とタイミングからして想像はついてた彼の登場
ヒラヒラと手を振ってみれば、目にいっぱい涙を溜めて情けなく泣き出す
「伊織さぁ〜ん!!!
本当に…死んじゃうかと…!俺、何もできなくて……」
『あーあーあー、、、』
「本当泣き虫だな…」
「顔すごいぞ?タケミっち」
顔を鼻水と涙でぐしゃぐしゃにしながらこちらに歩み寄る
私は机に置いてあったティッシュを箱ごと差し出すと、ズビズビ音を立てながら乱暴に顔を拭う
「よがった…本当に、よかったですっ、
もしかしてもう目覚めないんじゃないかって…」
『勝手に殺すな〜』
「だって…っ、3日も、起きないから〜…」
『ごめんって』
あまりにタケミっちが泣くものだから、私たちは冷静になる
しばらくみんなで苦笑しながら彼が落ち着くまで見守った