第12章 Hospitalization
「…悪かった、その…急に………」
『ううん、全然』
少しして落ち着いたのか、ゆっくりとたかちゃんは私から離れる
暖かいぬくもりが消えて少し寂しく思ってしまうけど、それを顔には出さず、たかちゃんの少し赤くなった目元にも気づかないふりをして口を開く
「…でも、本当に無事でよかった……」
『心配かけてごめんね。』
「…確かにスゲェ心配した。
…でも、俺も守れなかったのは事実だから、、、
近くにいたのに…すまなかった。」
『そんなことない。
もう謝らないで。』
「…だが、」
『もういいの。私の身勝手でこうなってるんだし、これ以上は言わないで。』
実際そうだ
たかちゃんは私が大声を出そうとした時止めてくれた
私から離れないでいてくれた
私が離れようとしても、ずっと近くで守ろうとしてくれてた
こうなったのは、私がたかちゃんの言うことを聞かなかったから
私が勝手にやったことだから、彼に落ち度は全くない
『…もうこの話はおしまい!
たかちゃん、守ってくれて本当にありがとう。』
「…ああ」
たかちゃんは眉を八の字にして、少しだけ笑みを浮かべた
『圭くん、早く起きたらいいね』
「そうだな…
…伊織、でもあとひとつだけ、、、謝らないといけないことがある」
『?』
そう言うとたかちゃんはさっきのように険しい表情になる
…そして自身の手をぎゅっと握りしめると、視線を落としながら口を開いた
「…再発のリスクがあるって聞いた。
一生リスクを背負わなきゃいけない身体にしちまって…俺は、」
『たかちゃん』
「?」
たかちゃんの言葉を途中で遮る
たかちゃんは恐る恐るという感じで視線を私の目に合わせた