第12章 Hospitalization
「俺、相棒にも知らせて来るッス!」
「相棒…あぁ、タケミっちか」
「なんだかんだ言ってアイツも毎日来てたもんな…」
『そうだったんだ…』
「はい!じゃあ俺ちょっと電話してきます!!」
千冬くんはそう言うとタタタッと走っていく
廊下から看護婦さんの「病院内は静かに歩いてください!」という声が聞こえて私たちは笑った
『ふふ、千冬くんなんか犬みたい』
「なんかわかる」
「場地の後ろいっつも引っ付いてるしな」
「忠犬だな」
クスクスと3人で笑う
「病院内は静かにしてください!!!」
「すみません!」
「走らないで!!危ないでしょう!!!」
ダダダダダ!!
「え?千冬また走ってんの?」
『…看護師さんめちゃくちゃ怒ってない?』
「2回目だしな…
…流石に帰ってきたら俺からも言うか」
けんちゃんがため息をついて頭を掻く
と、凄まじい足音が私たちの病室の前で止まった
スパン!!!!
『いやいや…流石にドア壊れるよ』
「オイ千冬!!おま…って、、三ツ谷!?」
「え?さっき電話したばっか…早くない…?」
『たかちゃん………?』
「ハァッ、ハァッ、ハァッ、、、伊織…」
急いで来てくれたんだろう
ドアを開け放ったたかちゃんは息も上がってる
11月で肌寒いはずなのに汗だくで、誰の目から見ても大慌てで来たのは明らかだった
けんちゃんが電話したって言ってまだ10分と経ってないのに…
「ハァ…ハァ……」
『た、たかちゃん…』
ゆっくりとした足取りで私のベッドの横まで歩いてくる
私も万次郎もけんちゃんもこんなたかちゃんは初めてで、その様子をただ見ることしかできない
ぎゅうっ…
『え、』
「は!?」
「あー…」
表情の読めないまま隣に来たかと思えば、一瞬泣きそうな顔をして私にぎゅっと抱きついた
誰もが予想外の行動にその場の全員がフリーズする