第11章 Bloody Halloween
「…いや、今手術中で…まだわからない」
…扉の前で願うことしかできない
俺は一体、何をしてたんだ
俺は、俺は、、、
「…エマ、泣くな
知ってるだろ?伊織も場地も強い。
アイツらは死なねえよ。」
「…伊織も言ってたから、アイツは嘘つかねえの、知ってるだろ?
…だから、伊織の着替えとか後で一緒に取りに行こう。
アイツらが出てきたら俺が迎えに行く。それまで家で待ってろ。」
そう言って電話を切ったドラケンくんがこちらに歩いてくる
…あれ、エマちゃんが着替え持ってくるって、、、
「ドラケンくん、伊織さんのお母さんには…?」
「…ねぇよ」
「え、」
「アイツ、親いねぇんだ」
そう答えたのは、俺の隣に座る三ツ谷くんで、ドラケンくんは表情を変えない
「…そう、ですか、、、すみません、」
「…」
親がいない…
稀にあることだとは思うけど、入院する中学生の元に着替えも持ってきてくれる人もいないのか…?
…もしかして、親族とかもいないのかもしれない
「すみません」
「あ、」
ヘルメットを片手に、水色の服を着た人
…救急隊員だろうか、
「あの、さっき搬送された女性の方の背中ことで少し…「待て!!!」
「っ!!」
「え、あの…「待ってくれ、」
「…ここじゃダメだ。
今は、、、」
三ツ谷くんが酷く焦って大声を上げた
こんなにも焦った三ツ谷くん、初めて見る、、、
ドラケンくんが俺の方をチラチラと見ながら、救急隊の人に待ってくれと、そう繰り返す
背中…?
なんのことだ…
「…伊織さんの背中…?」
「っ!!!」
「っ!!」
俺がそう呟くと、2人はびくりと大きく肩を震わせた