第11章 Bloody Halloween
自分の着ていたジャケットを脱ぎ、伊織の背中を隠すように被せると、伊織の首元に紐を見つけた
…何だこれ
紐を引っ張ってその先を見る
「っは…?」
これ…
紐の先には、さっきタケミチが落としてマイキーが場地に持たせた紫の交通安全のお守り
慌てて場地の手を確認すると、ちゃんと場地の手の中にも同じものがある
…なんで…2つあるんだ………?
ー見ろよ!一虎!!
ーん?
ーこの前のお守りの中!あん時の写真入れたんだぜ!!
ーお!いいな!!
ーだろ!?みんなにバレたら恥ずいから内緒だぞ?
ーわかったよ
「っ!」
2人のお守りの中身を確認する
「…なんで……」
2人のお守りの中には、2つとも写真が入っていた
…中身のことは、俺と場地しか知らないはずなのに、、、
それに、伊織の持っている方は場地のものよりもボロボロで、写真も色褪せている
明らかに古い
「…どういうことだ……?
伊織、お前は…」
頭にさっきの場地を治療する伊織の姿が流れてくる
…伊織なら、アイツだから出来たんだと、そう思っていた
混乱した頭では、その程度しか思わなかった
ただ、場地が助かればなんでもいいと、そう思った
だが、普通に考えるとおかしいのは明らか
中学生だぞ、俺たちは
伊織…
お前は一体…何者だ?