第11章 Bloody Halloween
ゴソゴソ…
「タケミっち…?」
あった
伊織さんのカバンの中からハサミを取り出す
刺さったままのナイフに触れないよう、特効服を切るために伊織さんの服に手をかけると、右手に持っていたハサミが飛んでいった
「え、」
「やめろ!!!
テメェ……今何しようとした…!!?」
「マイキーくん…!??」
今まで伊織さんに近づくことすらできなかったマイキーくんが、ハサミを持った方の俺の手を思い切り蹴り上げた
思わずその顔を見ると、息を切らし、怒り、と言うよりも、ひどく焦った様子の表情があった
「タケミっち、今伊織の服どうしようとした!!?」
「なんでテメェがそんなことをする…!?
何を知ってるお前は!!!」
「え…!?ドラケンくん…、それに三ツ谷くんまで…」
「なんでそのことをテメェが知ってる!!?」
胸ぐらを掴まれてそんな怒号を浴びせられる
そのこと…?
そのことってなんだ…!!
なんで俺はこんなに言われてるんだ…!!?
…もしかして俺、伊織さんを襲おうとしてるように見えたのか…?
この状況で…!!?
訳わかんねえ!!
「何言ってるんですか…!!俺はただ!伊織さんの手当しようとしただけッスよ!!!」
「はぁ!?手当だ!!?」
「お前にそんなマネできねぇだろ!!伊織だから場地の手当はできたんだろうが!!?」
「違いますよ!!伊織さんが言ったんです!
この針を自分の右脇腹から刺せって!あの人の指示ですよ!!」
そう言っても3人は全く聞く耳を持たない
目は血走っていて、冷静さの欠片もないようだった
「アンタら一旦落ち着けよ!!!
伊織さんは確かにタケミチに頼んでた!!!
焦るのも分かるけど…この人を殺したいのか!!!?
今何が最善かくらい考えろよ!!」
「千冬…」
ずっと場地くんの側にいた千冬が顔を上げてそう言うと、マイキーくん達は顔を合わせる