第11章 Bloody Halloween
伊織さん!!!
は…
何…?
聞いてなかった
ごめん、今、、、私、寝ちゃってた
なんだっけ…
…今の情けなくてカッコ悪い涙声、誰だっけ…
声のした方を見ると、右目が赤く腫れた金髪のダサい不良
…あ、タケミっちじゃん
そして前見ると、倒れた圭くんの傷口に手を突っ込んだ私の手
私…縫合中に寝てのか…?
…なんてことやってんだ
そうだ、わたし圭くんの治療中だったんだ…
…あれ?
でも、なんかあと少しで終わるじゃん…
寝る前に見たとこより進んでる
最後に糸を結んで、ガーゼを詰めてとりあえずの処置を終える
…よかった
最後までできたよ
『終了』
もう、いいよね
私、頑張ったよ
圭くん、助かるよ
大丈夫、大丈夫…
未来は、変わる
やり切った達成感とともに、今までの疲労が一気に波のように私を呑む
私はそれに抗うことなく、そのまま黒い水に溺れていった