第11章 Bloody Halloween
何言ってるんだって思った
俺と同じくらい馬鹿のくせに…医者?
しかも誰も殺させないため…?
…俺たちのことも、何故救おうとする…?
俺たちは、一生かけても償いきれないことをしたんだぞ…
頭ではそう思うのに、俺の目からはボロボロと涙が溢れて止まらなかった
その癖して伊織の瞳には涙は無くて、それどころか瞳の奥に燃え上がる炎が見えたような気すらした
…お前、あの日から変わったよな
別に好きでもなかった勉強を真面目にやるようになって
東卍の中でも色んな作戦考えて、組織整えてデカくして…
気がついた頃には俺もお前も、みんな成長してた
俺たちは身長も伸びて声も低くなった
身体もゴツくなって、力も強くなった
対してお前は、短かった髪は腰まで伸びきって手足は細く長くなった
声も高くて、背はなんか小せえし、身体は本気で力入れたら折れそうな気さえする
…2年前までは男みたいだった容姿が信じられないくらい変わって、綺麗になった
東卍も成長した
俺と三ツ谷とパーちんは隊長になって、構成員は100人にまで膨れ上がった
表には出ずとも、伊織は陰で東卍の脳だと囃し立てられ、密かに噂となった
みんな、変わった
そして、これからも
…だが、俺はここまでだ
さっき、伊織が誰も死なせない、誰も殺させないって言ってたの聞いて、色々思い出した
…最後にこんなに懐かしくてキラキラした記憶を拝めると思ってなかった
ありがとうな、お前ら
そして本当にすまなかった、マイキー…
そして最期に…千冬…
いっぱい殴ってごめんな、
お前が着いてきてくれて、嬉しかった
俺の隣はお前だけだ
虎の字を教えてくれたあの日から、俺はずっとお前に助けられてきた
支えられてきた
最高の相棒だ
ありがとう
ーーー
ーー
ー