第11章 Bloody Halloween
「っ!!!」
次は誰かに背中を押されて前によろける
反射的に後ろを向くと、そこには光を失った瞳のまま何かを見つめてボソボソと言葉を呟く一虎がいた
ここは…真一郎くんのバイク屋、、、
嗚呼、それならこの記憶は真一郎くんを殺してしまった日の記憶…
「なんで…何でだよ…っ!
マイキーの為にやったのに……!!!」
一虎…
「だから、マイキーを……マイキーを殺さないと…!」
「…そんな悲しいこと、言うなよ…!
この先、どんなに地獄が待ってても、、、俺は最期まで一緒だから…!!!」
謝っても、謝っても、、、どうしようもないけど
マイキー…伊織………ごめん…
お前らの支えだった人を、俺たちは殺しちまった…
「場地!!!」
「マイキー…伊織……!」
『何があったの…!?』
規制線の向こう側で息を切らす2人
今でもあの時の感情は忘れられない
「搬送した心肺停止の男性、同店店主の佐野真一郎さんと思われる男性ですが、先程病院で死亡が確認されたそうです。」
『は?』
…2人の近くで会話をしていた警官の言葉
マイキーも伊織もフリーズする
嗚呼、本当に俺は人を殺してしまったんだ
…大切な人がいなくなった時、人の目はこんなにも色を失うんだ
2人の表情を見て、俺は消えたくなった
もう俺も死にたくなった
誰か、俺のことを殺してくれ……頼む
そう、心から願った
『っ!!約束する…!!』
「え…」
『もう2度と!大切な人は死なせない…!!!
もう2度と!大切な人に誰も殺させたりしない…!!!』
マイキーはフリーズしたまま
伊織はそのマイキーの手を握り、俺と一虎にも聞こえるように、そう叫んだ
『私は!医者になる…!!!
私がみんなを助ける…!!!』