第1章 Blanc
荷物を減らしてきたとは言っても、洋服だけでも相当ある。
しかも向こうで詰めた時は友人に手伝ってもらったから楽だったが、これを全て一人で荷解きするのはかなり大変だ。
終わる気がしない片付けに嫌気が差しながらも仕方なく手を動かし続ける。
トン
『あ、』
これは…
私は服を引っ張り出した拍子に落ちたソレをそっと両手で拾い上げる。
…もう、無くしてしまったかと思っていた。
『こんなところにあったんだ。』
色褪せてしまっている交通安全のお守り。
詰めた時には気がつかなかったから、友人が詰めてくれたものだろう。
無くしたと気が付いた頃には死ぬほど必死に探してしばらく落ち込みきっていたのに、呆気なく見つかってほっとすると同時に拍子抜けしてしまう。
『確か中には…』
カサ
こっちも随分色褪せてる。
でも、キラキラしてる。
そこには私が撮ったみんなの写真。
東京卍會発足記念の写真が入っていた。