第11章 Bloody Halloween
ヒュッ!ドッ!
「グァッ!!」
「大丈夫?」
「ああ、悪いな、、、俺もドラケンに続くぜ…!!!」
「…脚折れてる。もう端っこに行ってた方がいい。」
「なこといってられ「オイ!!」
「っ!」
「待て!逃げるな!!」
「は?三ツ谷くん…???
え、お前なんで逃げて、、、?」
「…!」
「オイ!!!」
東卍の壱番隊の特攻服を着て、フードとマスク、そして手袋をつけた小柄な奴
敵の間を逃げて俺を撒こうとするが、その背中に追いつくとそいつの肩を掴んで止める
「なんでテメェがここにいる!!!
伊織!!!」
『っ!』
「ここがどこだかわかってんのか!?」
『…』
逃げるのを辞めたソイツは、ゆっくりと振り返る
目元しか見えていないが、確かに伊織だ
…流石に乱戦、目元が切れてて血が滲んでいる
無傷とはいかなかったか…
『…こんなにすぐバレるなんて、、、流石に予想外だったな…』
「当たり前だ!!舐めるな…!」
『流石たかちゃん。よく見てる。』
「そういう話してんじゃねぇ!!
どういうつもりだ!」
『…言ってもどうせ止めるでしょう?』
「っ、そうだが…!」
『じゃあ聞かないで』
「お前…自分が何やってるのかわかってんのか!?」
俺とは対照的に落ち着いた様子で小さく笑みを讃える伊織、
俺の手を外そうとするその手を振り払い、再び両手で肩を掴む
…顔に傷つくって、、、
思わず傷口に指を這わせて血を拭う
「オイ!」
『…』
「ックソ…!」
肩を揺さぶっても怒鳴っても、伊織は表情ひとつ変えない
何を言っても聞かないんだろう
それにどうしようもなく腹が立つ
しかもこの乱戦…抜けるのはもう厳しい
いや、抜けたとしてもこんなギャラリーの中コイツを1人にはできねぇ
「絶対俺のそばから離れるなよ。」
『…』
…来てしまったものは仕方がない
その代わり…俺がこれ以上コイツに傷はつけさせねぇ…!