第10章 Betrayal
俺と千冬は武蔵神社の階段を登る
既に多くの人が集まっていて、中には幹部の姿もある
…いつもの集会よりも空気がピリピリしてて、みんな殺気立ってる
カツ…カツ…カツ……
「これより!!対芭流覇羅決戦の!結果集会をはじめる!!!」
境内にマイキーくんとドラケンくんが現れ、ドラケンくんがそう宣言する
あたりは一気に静まり返り、固唾を飲んでマイキーくんの言葉を待つ
…伊織さんは今日も出ないのか、、、
「みんなよく集まってくれた!」
マイキーくんのよく響く声がその場の空気を揺らす
静かに、それでいて強い
そんな声だ
「俺たちは明日、芭流覇羅とぶつかる。
売られた喧嘩だ。俺たちに得るものはねぇ!!
…そして、敵の中には場地もいる…
裏切り者は容赦しねぇ!それが東卍のやり方だ!!」
場地くん…
「…もう、止められないんだな、、、タケミっち」
「…」
「…」
その通りだ
もう、止まらない
もう、、、止められない
「…オレ、ガキになってもいいか?」
「へ?」
「「は?」」
ガキに…?
…何言ってるんだこの人、
マイキーくんはそういうと徐に腰を下ろして、柔らかな表情で言った
「俺はダチとは戦えねぇ」
え…!
戦えねぇって…!!!
それって…
「それが俺の出した答えだ!!!
みんな力を貸してくれ!!!
明日俺らは芭流覇羅ぶっ潰して場地を東卍に連れ戻す!!
それが俺達の!決戦だ!!!」
…!マイキーくん!!!
「「オオォォォ!!!」」
そこら中から割れんばかりの歓声が神社を包む
これが本当の東卍
1人のためにみんなが戦えるチーム
そしてその1人を決して見捨てないマイキーくん
だから、東卍は強いんだ
俺は安心したように、それで堂々と立つマイキーくんを見ながらそう思った