第10章 Betrayal
「そっか…」
『…』
ある公園のジャングルジム
…そのてっぺんに座るマイキーくんと伊織さんに、さっき場地くんと話したことをそのまま伝える
…マイキーくんは空を、伊織さんは自身の足元を見つめながらその話を聞いていた
「ガキの頃よく、このジャングルジムで場地と遊んだんだ。
…伊織は覚えてっか?」
『もちろん。
いつも万次郎が圭くん突き落としてたじゃない。』
「アイツすぐ喧嘩ふっかけてくるんだもん。仕方なくね?」
『まさか小学生高学年になってまでジャングルジムで喧嘩するなんて…』
呆れたように伊織さんは笑って空を見上げる
マイキーくんもその頃を思い出すように小さく笑った後、空を見上げていた顔を地面へと落とした
「喧嘩してすぐ仲直りして…その繰り返しだった。」
『…うん、』
「でも今度は…本当にモメちゃうんだな…」
「…連れ戻せなくて、すみません。」
「…オマエは悪くねぇよ。
場地が引かねえってならしょうがねえ。
場地は東卍を裏切った。
明日は決戦。東卍の連中は戦闘モードだ。」
マイキーくんは地に向けていた視線を前へと移す
と、見えない敵を見据えるような、覚悟を決めたような顔をした
「もう、腹くくったよ」
『…』
マイキーくんはもう、東卍の総長として場地くんとヤるしかないんだ…
それを察すると、俺は2人を残して先に東卍の集会場である武蔵神社へと足を向けた