第10章 Betrayal
「…場地さんに、、、殴られました…」
『はっ!?圭くん?』
「はい。
…俺さっき場地さんに芭流覇羅のアジトに呼び出されて…そしたら半間ってやつが、芭流覇羅入るのに踏み絵が必要だって言って…」
『っ!』
踏み絵…
圭くんを試そうとしたんだ
東卍のスパイだって疑って…
「でも!俺分かってます!!
絶対場地さんは東卍裏切ったりしてません…!」
『千冬くん…』
「ずっと…ずっと側で見てきたんです。
場地さんの真意は別にある。そうですよね!?」
『…』
まるで縋るような目
…彼の傷を見るだけで分かる
圭くんは本気で千冬くんを殴ってる
躊躇いなく、本当に本気で…
確かに千冬くんの言う通りだ
圭くんは稀咲を追ってる
…でも、それを今私が肯定してもいいのか?
圭くんは千冬くんにも明言してない
あくまでも千冬くんを巻き込む気がないからだ
『さぁ、知らないわ。』
「っ!」
『とりあえず…話してくれる?
芭流覇羅のアジトで一体、何があったのか。
圭くんは何を話したのか。
…圭くんの意思の話はそれからよ』
「…はい」
それから千冬くんは自分が踏み絵として殴られた後、タケミっちが証人として迎えられ、証人喚問が行われたことを話した
…タケミっちを証人として選んだのは、新メンバーということで、誰の息もかかっていないと踏んだからだろう
そして圭くんが話したのはあの事件…真兄が死んだ事件の話
…あの時からずっと、カズくんを待っていた、と
元々そちら側の人間だ、と、、、
確かに、それなら誰も疑わない
「それから伊織さんのことを最後に半間が聞いてきて…」
『?私のことを?』
「はい…「マイキーの女は見たことある、東卍の脳は何者だ」って聞いてきて…」
そういえば半間には一目会ったな…
『で、圭くんはなんて?』
「マイキーの女はただの金魚のフンだって。
東卍の脳は知らねえって言ってました、、、
っ、だから!伊織さんのことを言わなかったってことは!
場地さんはちゃんと東卍の仲間だってことですよね!?」
『…』
なるほど、