第10章 Betrayal
「場地!!」
「…ぁ」
警察に連行される途中、マイキーは走って駆けつけ、肩を上下させながら、俺の名前を呼ぶ
「マイキー!!!」
「…何が…何があった…?」
俺はただボロボロと涙を溢すしかなかった
…もう何も考えられなかった
「マイキー…ごめん……!!」
ーーー
ーー
ー
「あの日、俺たちは決別した。
一虎が庇ってくれたおかげで俺は年少に入らずに済んだ」
ー俺、10個上の兄貴がいたんだよね
もう死んじまったけど…
っ!あの時の…!!
じゃあ、この2人が…!
「俺は、一虎が出所するのを待ってたんだ」
場地くんはそもそも一虎くん側の人ってことか…?
勢いで東卍を抜けた訳じゃない
だったら…連れ戻すなんて無理じゃん
「ふっ、いいねぇ場地
そういうことならマジで大歓迎だ!
…あ、あと、、、最後に花垣ぃ、ひとつ聞きてえことあんだわ。」
「えっ…」
「マイキーの女って、何者?
東卍の脳ってなんのことだ?そんなもん本当にいんの?
この前の抗争の時、マイキーの女らしき奴は一瞬見たんだがなぁ…いい女だった♡」
「それは…っ、」
伊織さん、の、こと…
…そういえば今の話、創設メンバーはみんな出てきたのに伊織さんのことは一切出てこなかった…なんでだ?
「東卍の脳?マイキーの女?何それ。
俺年少いたし知らねえな。
…場地、そんな奴いたの?」
「ああ、アイツか…
マイキーの女かどうかは知らねえが、やたらマイキーについて回る女はいるぞ?
だがアイツのことならこんな末端のカス、なんも知らねーよ」
「そうなのか?花垣」
「えっ、、はい…」
「あの女ことなら俺が教えてやるよ。
アイツはただのマイキーの金魚のフンだ。
東卍の脳ってやつはいねー。
東卍で頭回る奴は三ツ谷かドラケンくらいだ。
そいつらのこと勝手に騒いでるだけだろ」
「へぇ…ならいーや。
…花垣、マイキーに伝えろ!」
「っ!」
「今日から一週間後、廃車場にて芭流覇羅と東卍…決戦だ…!!!」
それだけ言うと、半間は俺をアジトから追い出した