第10章 Betrayal
「あー…めんどくせえ」
「場地?」
圭くん…どうしよう
ごめんなさい、まだ何もこちらのことが分からないのに…
圭くんの方が核心に迫ってる
…彼の言動から探らないと
「そのキサキってのはどうでもいい。
そもそも参番隊を入れ替えるってのが俺は気に食わねえ」
『ぇ…』
「参番隊はそのまま。
メビウス入れんならバラしてどっかの隊の下につければいいだろ。」
「それじゃあ指揮が機能しねえだろ。」
「場地テメェ頭悪いんだから黙ってろ」
「ああ?
とにかく、メビウスは入れるならバラすべきだ。
隊長格なんざあり得ねえ」
どうして…
稀咲を入れるのはいいの?
わからない…圭くんは何を考えてるの…?
「場地…」
「…伊織は、
伊織はなぜ反対する。
稀咲が入ればお前も助かるだろう?いい助手にでもなるんじゃないか?」
『けんちゃん…
助手なんて必要ない。私だけで十分。』
「…だが」
『お願い!
今の私じゃ力不足ならもっと頑張るから…!!
集会にだって毎回出る!
勉強なんて言わずに東卍優先するから!』
「伊織?」
『私1人でだって必ず結果を残す!!
全部完璧にこなしてみせるから!!!
だから…』
「お前、何をそんなに焦ってんだ?」
『っ…』
「らしくねえぞ」
『…』
たかちゃんとけんちゃんにそう言われて慌てて口を閉じる
…ダメだ、冷静にならないと……
「…稀咲個人の力も確かだが、それ以上に50人という数が俺たち東卍には必要だ。
…メビウス加入は必須だ。」
『っ、万次郎!』
「それに、
今回の抗争でお前は怪我した上に倒れただろ。
…これ以上お前に負担をかける訳にはいかない。」
『負担だなんて思ってない!私は…』
「俺の決定だ。
稀咲率いるメビウスは参番隊として迎える。
…いいな」
『っ、』
どうして…
…ここまで万次郎が私の言葉を遮ることはなかった
証拠を提示できない私にも落ち度はあるが、ここまで万次郎も私の意見を聞かないことはない