第10章 Betrayal
「じゃ、今度こそ幹部会始めっか。」
「おう」
「…今回の議題は…マイキーから」
万次郎から…
なんだろう
「…この抗争で東卍の中身はボロボロだった。
なんとか立て直して抗争も勝った。
が、これからウチは芭流覇羅とぶつかる」
「…?芭流覇羅?」
「半間が副総長を張る俺たちより二つ上の世代のチームだ。
構成員は300人」
「300って、、、」
東卍は100人…無謀だ
…何か練らないと
しかも今参番隊は隊長がいない
どこかと統合するにしても、隊長格の人数が減るのは大きな損害だった
「そこで、だ」
…?万次郎?
「…俺に近づいてきた奴がいた。
そいつを東卍に入れ、戦力強化を図る。」
「誰だ?」
「元メビウス、稀咲鉄太と言う男だ。」
『っ!!!』
稀咲…って、、、
「元々メビウスは一枚岩じゃない。
長内率いる昭和生まれ組は俺に負け、その残党を半間が率いた。
そして昭和組とやり方が合わなかった平成組をまとめていた男が稀咲だ。」
「…メビウスの残党、、、
信じられるのか?もしかしたら俺らを恨んでるかも知れねえ」
「その辺は大丈夫だろう。
その証拠に、平成組は長内の時も半間の時も抗争に参加してない。
総勢50人。
こいつらを新参番隊として迎えようと思う。」
新、参番隊、って、、、
『っ、待って!!』
「?伊織…?」
『…私は反対。
稀咲の加入だけは飲めないわ』
「…稀咲は力のある男だ。
アイツは何より頭がいい。お前の力にもなれる筈だ」
『稀咲の頭が良いのは知ってる!
だからこそダメなの!!』
「…根拠は?」
『根拠、、それは…』
思わず声をあげてしまった
…まだ提示できるだけの動かぬ証拠はない
そして稀咲は私のことをまだ知らないし、万次郎達も稀咲が悪い奴だとは微塵も思ってない
迂闊に出るべきではないのはわかっていたのに…
私は思わず圭くんの方を見てしまう
と、圭くんが腰を上げた