第9章 Check
それから私は考えた
全ての根源は稀咲
それはわかっている
だが、まだアイツを追い詰めるには証拠もなければ過去の人間が稀咲を怪しむ理由もない
…今すぐ万次郎に言って敵視させるのは悪手
これだけ頭が回る相手だ
なんとでも言い訳がつく筈だし、下手をすればこちらが劣勢を強いられることになる
それならまずは稀咲じゃない
次に起こるのは血のハロウィン
つまり圭くんとカズくんが死ぬ時件だ
圭くんは稀咲を追ってた
つまりこの事件の裏には100%稀咲がいる
稀咲の企みで起こった事件なのは間違いない
そしてアイツの思惑通り、万次郎はこの事件で壊れてる
それならそれを止めないと
そしてあわよくばこの中で稀咲が黒だという動かぬ証拠を掴んで、これから先の未来、東卍に稀咲が2度と組み込まないような状況を作り上げる
これが次のミッション
『…待ってて、けんちゃん
さよならなんで言わせない。
必ず私がみんなを守って見せる』
あの日、私にさよならと言ったけんちゃんの顔が忘れられない
もうあんな全てを諦め、受け入れたような顔、させたくない
私はそう意気込むと千冬くんとナオトさん、そしてタケミチくんにメッセージを送った