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ONE MORE CHANCE【東リべ】

第2章 Chance


「…そんなに警戒しないで下さい。
僕は警察官です。」

「警察?
警察が俺らに何の用だ。」

「情報提供を依頼したくて。
主に、貴方ではなく伊織さんに。」

「…」

『…私、に?』











千冬くんの背中から少しずれて、警官だと言う彼を見つめる。











「…あぁ、申し遅れました。
僕は橘直人、今日ニュースにあった東卍の抗争で巻き込まれて死んだ一般人は僕の姉です。」

「っ!」

『!?』

「…お二人は12年前の東卍を知る貴重な方々。
特に伊織さんは現総長、佐野万次郎と幼馴染だと聞いてます。」

『…』

「良ければ2人でお話しさせて頂いても?
僕は今勤務時間外ですので、今から聞くお話や僕が話すことは一切警察関係者の耳に入ることはありません。」

「なもん、信用できるかよ。」












千冬くんは私を自分の後ろにぐいっと押しやり、警官さんを睨みつける。











「…では、こうしませんか。
僕は僕の知る情報をあなた方に提供します。
信じるか信じないかはお任せしますが。
その代わり伊織さん、少し僕の突拍子のない話に10分ほど耳を傾けてください。」

『ぇ?』

「あなた方はなにも話さなくて良いと、そう言っているんです。
悪い話じゃないでしょう?」












確かに、私たちにマイナスになることは一切ない。

そもそも私たちは警察に聞かれて困ることは何もしてない。











『千冬くん…』

「…話を聞くつもりですか?」

『うん。
だって、私たちだけじゃもう限界だったじゃない?
警察なら、私たちが知らないことも知ってるかも…』

「でも!都合が良すぎます!
何かの罠かも…」







「…話を聞くのは伊織さんだけです。
松野さんは…声が聞こえないところで待っててください。
手出しはしませんから。」










「…声が聞こえない距離なんて、何かあっても間に合わない。
守り切れません。」

『大丈夫、千冬くんが駆けつけるまでの時間くらいだったら、自分の身は守れる。』

「ですけど!」

『お願い、千冬くん。
私どうしても、万次郎に会いたい…』

「っ、」








「…話は纏まりましたか?」









『千冬くん…』
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