第9章 Check
「…3度目はないからな」
「はい。
…もうすぐです。次の角を右に曲がったらすぐ見えます。」
「…あれか。」
「そうです。」
東京拘置所
灰色の看板に灰色のデカい建物
…なんとも言えない雰囲気を漂わせ、思わずごくりと喉を鳴らす
ガチャ
「伊織さん、着きましたよ」
『…ぅん、、、ありがと、て、えっ!、』
流石医者
寝が浅かったのか、すぐに目を覚ます伊織さん
『私確か助手席に、、、千冬くんが運んでくれたの…?』
「はい。でもそんなに寝心地良く無かったですよね…狭いし」
『い、いや!全然気づかなかった、、、
ごめんね、重かったでしょ…』
「そんなことないです。
…それより、拘置所着きましたよ」
『っ!もう!?』
「はい。」
「…おはようございます。伊織さん」
『!ナオトさん!!
すみません私寝てて、、』
「大丈夫ですよ。お疲れでしょうし気にしないで下さい」
『本当に申し訳ない…』
伊織さんは顔を赤くしながらも車から出てくる
『っ!ここが、、、』
「はい。龍宮寺堅が収容されてる拘置所です。」
『っ、、、』
「伊織さん、大丈夫ですか?」
『だ、大丈夫…行きましょう。』
「はい、」
「はい」
俺たちは橘の後ろを着いて拘置所の建物内に足を踏み入れた